「いいな」と思った理由
数年前、まだ私が大学生だった頃。
大学のデザイン研究室でお世話になった先生から、たくさんのことを学び、たくさんのありがたいお言葉をいただきました。
その中でも特に心に残っている言葉をご紹介します。
当時、私と、そして同じ研究室の同級生の数人は、卒業制作のことで悩んでいました。
(美術学科では、卒業論文ではなく卒業制作という「作品」を提出することで卒業が認められます。)
何から手を付けていいのか分からず途方に暮れていた私たちに、先生は
「自分が良いと思ったデザインの画像をひたすら集め、一覧表を作りなさい。良いと思ったデザインには、必ず共通点があります。その一覧表を眺めれば、共通点や、自分がそのデザインを良いと思った根拠が見えてくるでしょう」
とおっしゃいました。
優れたデザインには、必ず確固たるコンセプトとそれを他の人に納得させるだけの根拠が存在します。
他人のデザインのコンセプトや根拠を知ることで、良いデザインの「法則性」が見えてきます。
それを元に、今度は自分なりのコンセプトや根拠を考えることで、方向性の定まった的確なデザインをすることが出来ます。
先生の言葉をヒントに、私たちは卒業制作に着手し、きちんとコンセプトを持った作品を作ることが出来ました。
私たちの身の回りには様々なデザインが溢れており、お店やネットで物を買うときには、なんとなくその商品を「いいな」と思って選んでいることと思います。
その「いいな」と思った理由を紐解いていくと、案外シンプルな答えが見つかるものです。
その作業は簡単なこともあれば、難しいこともあります。
私たちは日々その作業を繰り返しながら、お客様に納得・ご満足いただけるような商品づくりに努めてまいりますので、今後とも変わらぬお引き立ての程、よろしくお願い申し上げます。