印刷の原理と方式

印刷の原理と方式

印刷には、主に4つの種類があります。
今日の商業印刷と出版印刷では、オフセット平版が一般的です。

◆平版印刷
平版とは、画線部と非画線部とに物理的に凹凸をつける他の版式に比べ、解像度を上げやすく、コストや生産効率性面でも勝るので、現在の大半の紙の印刷物は平版によって印刷されています。
平版は、PS版など薄い金属板の刷版を使用し、インキのつく画線部とインキのつかない非画線部とは表面の状態による違いで、その高低差はわずかです。
一般にいうオフセット印刷とは平版印刷の一方式です。オフセットとは、版上のインキをいったんブランケットに転移し、それを紙に転移する意味となっています。

【特徴】
・版材に薄いアルミの金属板を使用します
・インキの付く画線部とインキの付かない非画線部を化学処理により区別します
・画線部と非画線部の高低差は数ミクロン
・画線部と非画線部に油と水の反発性を利用
【メリット】
・高解像度に向く(物理的に凹凸をつけるのではない)
・コストや生産効率が良い

◆凸版(とっぱん)印刷
包装材料の印刷に多く使われているのが、凸版印刷の一種であるフレキソ印刷です。
フレキソ印刷とは、ゴムや感光性樹脂等の弾性のある版材と液状インキを使った凸版印刷法です。紙(コート紙、非コート紙、新聞用紙)の他、段ボール、紙器、プラスチック包装材等への印刷に用いられます。

◆凹版(おうはん)印刷
画線部が非画線部よりも低い印刷版。版材には銅や鋼が用いられる。グラビア印刷も凹版の一種。

◆グラビア凹版
グラビア印刷では、円筒状の版シリンダの表面に彫刻や腐食によってくぼみを付け、その中にインキを詰め込んで印刷します。
グラビア印刷は階調の表現力に富み、製版コストが高いが耐刷力が大きく、高速印刷が可能であるため、大ロットの雑誌、通販カタログの主要生産システムに向いています。
包装フィルムなど非紙媒体への印刷もグラビアが主力になっています。
オフセット用の網点フィルムから製版するグラビア方式も使われています。

主に写真製版法により作られた凹版を用いた印刷。製版方法は、大別してコンベンショナルグラビア、網グラビア、電子彫刻グラビアの3つがあります。

======================================
◆コンベンショナルグラビア
グラビア製版方式の一つで、階調の再現にセルの表面積は一定にし、深度を変えて表現する方式。画像濃度の濃い部分はセルを深く、薄い部分はセルを浅く腐食させる。網グラビア、電子彫刻グラビア等に対してコンベンショナル(従来)グラビアとよばれる。

◆網グラビア
網点の大きさを利用し階調を表現するグラビア。この製版法には、版深度一定で網点のサイズ変化のみで階調を表現するハードドット法と、網点のサイズ変化と版深度の深さが双方に変化し階調を表現するソフトドット法とがある。

出典:「一般社団法人 日本印刷産業連合会」
https://jfpi.or.jp/webyogo/index.php?term=712
=======================================