これで迷わない!チラシデザインの大前提 その1「ゴール&ターゲットを設定せよ!」

これで迷わない!チラシデザインの大前提 その1「ゴール&ターゲットを設定せよ!」

こんにちは! デザイナーの朝子です。

クリスマスケーキの予約は済みましたか?
私は希望のケーキが予約数の上限に達していたため、急遽他のケーキを選ぶことになりました。
そんなバタバタな1日でした。

…はい、季節のご挨拶です。

 

 

ここからはマジメな話です!

前回のブログでは同僚デザイナーが、印刷物のデザイン業務のワークフローについて皆さまにお伝えいたしました。

[ 復習しておきたい記事 ]
 現役デザイナーが紹介するデザイン業務のワークフロー 

デザイン制作を日々こなしている彼女ならではの、実体験が全てのワークフローです。
グラフィックデザイナーを目指している方や、デザイナーではないけれどデザイン制作に携わることになった方など、とても参考になる記事ですのでぜひ一読してみてくださいね!

 

 

さて、今回のブログでは、そんなデザイン制作ワークフローの中でも、とても重要な箇所である目的設定ターゲット設定のお話をさせていただきます。

 

1. ゴール(目的)を理解しよう

例えばの話です。

チラシのデザインを制作することになったアナタ。
デザイン制作をスタートし、神が降りてくるかのごとく、アイデアが浮かぶ……などとなったら苦労はしませんよね。
とあるチラシを作ることになったものの、いざ着手してみると「何からはじめたらいいの〜!?」とお嘆きになることはよくあることです。

ただ、これだけは知っておいて欲しいのです。
チラシのキャッチコピー・レイアウト・配色など、あれこれ悩む前に、大前提として設定すべきことがあります。

今回制作するチラシの「ゴールは何か?」

それを念頭に入れて制作に取り掛かってほしいのです。

ゴールとは目的のことです。
チラシを制作すると決定された段階で、そのチラシには既に目的があるはずですね。

むしろ正しく言い換えると、
目的があり、それをゴールさせるための手段にチラシを選んだということなのです。

デザインは100%、目的・役目を持っています。
デザインとは何のために存在しているのか、それを理解しましょう。
人が空気を吸うのと同じくらい大事です。

デザインをはじめたばかりの方や、日々の業務に追われ、ただ作ることが目的になってしまうことはあると思います。
私もそう…いやいや、そうはなりませんよ…!
とにかく制作サイドとして、作ることが目的となってはイケないのです!

 

では、ゴール(目的)について、わかりやすいように例をあげてみますね。

婚活イベントを開催するので、参加者を募るチラシを作る

 ↓

ゴール「参加希望者に申し込みをしていただく」

環境保全活動への取り組み結果を報告するための冊子を作る


ゴール「活動内容を正確に理解してもらう」

オリジナルブランドのロゴを作る

 ↓
ゴール「他との差別化を図る」「ブランドを共通認識してもらう」

はい、目的がゴールとなりますので、あっさり設定できますよね!

 

何度も言いますが、デザインは作ることが目的ではありません。
その根本を見失っている方が実はたくさん見受けられます。
設定したゴールにターゲットを導くことがデザインするアイテムの使命なのです☆

 

2. ターゲットを設定しよう

そして、もう一つ大事なことは、そのゴールは「誰にしてほしいのか」ということ。
その「誰に」が、ターゲットになります。

先ほどの1つ目の例をピックアップしてみます。

婚活イベントを開催するので、参加者を募るチラシを作る

ゴール「参加希望者に申し込みをしていただく」

ターゲット「独身の男女」

そうですね。
婚活イベントなので、当然ターゲットは独身の男女となりますね。
チラシに限らず、ポスター・パンフレット・パッケージ・ロゴ・コーポレートWebサイト、ショッピングサイト、とにかくあらゆるデザインには必ず「ゴール&ターゲット」が設定されています。

 

3. ターゲットに対して必要な情報と要素を整理しよう

そして、具体的にデザインを起こすためには、

1、ターゲットに読ませる情報
2、ターゲットに感じさせる要素

が必要となります。
どいういうことかと言いますと、

今回はチラシをピックアップしていますので、チラシの場合は次の情報等がユーザーに「読ませる情報」となります。
仮に、先ほど例にあげた、婚活イベントのチラシ制作の依頼を承ったと仮定した場合、

婚活イベント参加者募集チラシの場合(サンプル)
・いつ   : 12月17日(日)
・どこで  : ○○コニュニティセンター1F
・だれが  : 婚活事業実行委員会
・なにを  : 婚活イベント
・なぜ   : 参加者を募集するため
・どのように: 参加者同士の立食パーティー
・いくらか : 男性5,000円/女性2,500円

これらが、最低限必要な情報になり、はっきりと文字として記載する必要がある「読ませる情報」です。

 

そして、デザインする紙面には文字として与える情報の他に、「感じさせる要素」が必要となります。
この設定こそがデザインの方向性を左右するものとなります。
デザイナーはこれをビジュアル化するわけです。

 

今回の婚活イベントチラシ制作の依頼主からの提供いただいた原稿をよく見てみましょう。

募集要項に「参加資格:20歳〜50代の独身男女」と書いてあります。
それがまさにターゲットとなります。

 

ただし、なかなか幅の広いターゲットです。
イメージとしてこんな感じです。

ターゲットの幅が広いほど、訴えは響きにくくなるというデータがあります。
逆にターゲットをより絞ることによって、そのターゲットへの効力がアップします。

 

依頼主に質問してもっと要望を明確にしてみましょう。

「誰に特に参加してほしいか?
そうだね、このイベントはもう6回目なんだけど、30〜40代の男性はよく参加してくれるね。
でも女性の方が参加率低くてね〜。
特に20代の女性の参加なんてほんの一握り。
参加料も女性の方を優遇して安くしているんだけど、それでも参加してくれないんだよ。
この事業は少子化対策の一環だから、20代の若い女性にもっともっと参加してほしいんだよ。」

 

おっ!依頼主よりとてもいい情報を聞くことができました。
(ちなみにこのような質問は、発注時に聞いておくことが鉄則です。)

20代の女性の参加率が低いので、もっと参加して欲しいそうです。
つまり「20代女性」をターゲットに絞り込みすればいいわけです。

 

このように、依頼主の相談をきちんと掘り下げて理解することが大事です。
また、ディレクターなど取りまとめ役がいらっしゃる場合は、きちんと説明と指示を受け、制作サイドとして依頼主が達成させたいゴールを理解しましょう。

 

さらに、ターゲットの絞り込みは、デザインの方向性、ビジュアル的なテイストを決定する要因に直結します。
これが「感じさせる要素」作りの土台です。

 

この婚活イベントの実際の募集範囲は、20~50代の男女。幅が広いですよね。あ、もちろん独身の方のみです。

このイメージを見て、ビジュアルテイストの方向性を決めることができますか?
なかなか難しいのではないでしょうか。

 

 

 

 

ですが、20代女性にターゲットが絞り込まれると、急に制作するチラシの方向性やビジュアルテイストの選定に光が差し込んでくるのではないでしょうか?

20代女性が興味があるもの、目を引くもの、感情を揺さぶるような要素を、チラシに盛り込めば効果的となります。

 

 

ちなみに、統計として若い女性が好きなものは次のようなものがあげられます。

 

形容的なもの:柔らかい / かわいい / ゆるい / 明るい / 丸い / 曲線的 /

色:パステルカラー / ピンク

物:スイーツ / カフェ / ファッション / 小動物 / 花

このような要素をイメージとして今回のチラシのビジュアルに取り入れると若い女性に好まれるデザインとなります。

 

 

参考までに、ターゲットの絞り込みは、何も性別や年齢だけではありません。
業種、知識レベル、関心レベル、生活状況、ライフスタイルなどなど実に様々な設定があります。

 

そして、ターゲットに感じさせる要素は見た目だけではありません。

例えば、キャッチコピーも重要です。
さらに言えば、キャッチコピーを演出する書体も重要です。

 

複合的な要素ですが、きちんとターゲットを設定・把握し、どんな要素が効果的なのかを知識として持っておくと、デザイナーとして、デザインの方向性・ビジュアルテイストに迷走することは少なくなりますよ。

デザイナーの方も、統計を知っておく、自分なりにデータを集めることが大事です!

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回、これで迷わない!チラシ作りの大前提 その2「ターゲットに合わせた表現を取り入れよ!」と題しまして、ターゲットにあわせたビジュアルの具体例をご紹介したいと思います。

 

巷に溢れているデザインを見て、そのデザインのゴール&ターゲットを自分で想像してみる、そんなトレーニング方法を実践してみることもデザイン力向上に繋がるかもしれませんね。

それではまたお会いしましょう〜!