紙のはなし

紙のはなし

ごあいさつ

今回から、印刷=DTPに特化した記事を不定期に連載することになりました「印刷部マネージャーサトウ」です。
入社20余年これまで印刷畑で育んできた知識と経験を惜しみなく垂れ流すこのコーナー、
今回のテーマは「紙」です。
普段、印刷物になじみのない皆さんには、興味のそそられない内容かも知れませんが、
私たちの生活に無くてはならない「紙」。
紙と言っても途方もなく多種類の紙が世の中には存在します。
メモ用紙=これも印刷物です。
チラシ=これが皆さんの生活に最も密着しているものかも知れません。紙質よりも中身の方が。
スケジュール帳=これも印刷物です。おもに上質という紙を使用しています。
名刺=タテ型、ヨコ型、デザインも様々です。箔押しや蛍光色のものまで、個人をアピールするものとしては
最もポピュラーです。
カレンダー=1日のうち何回見ることでしょう。
「好きでもないのに1日に何回もみつめるものってなあに?」というなぞなぞがあったら必ずこう答えるでしょう「カレンダー」。
仕事柄、守るべきものは世界ではなく「納期」です。
私たちは、天災を鎮める力はありません。
しかし、クライアント様の激昂を鎮めることはできるかもしれません。
唯々、平身低頭、土下座のみ。

紙の種類

さて、本題です。
今回は、よく印刷物で使う、又は、お問合せを頂く、「マット紙」「コート紙」「上質紙」について、
お話したいと思います。
まずはこちらの写真をご覧ください。

左からコート紙、厚手コート紙、マットコート紙、上質紙
違いが分からない方はいませんか。分からなくて当然かも知れません。
実際に手にとってみないと分からないかも知れません。
なぜならそれぞれの紙は質感が違うからです。
上質紙とは、
【特徴】
表裏ともコートされておらず、表面はパルプが露出している。このためインクのにじみが多く発生するため、レジンなどのインク吸収剤を添加することが多い。表面は平滑であるが、コート層がないためにコート紙に比べると平滑性は劣る。ただし、パルプ比率が高いため、同一米坪であればコート紙よりも紙腰・断裂強度・引張強度・不透明度とも優れている。(上質紙:wikipedia)
平たく言うと「ぴかぴか」していない、滑りにくく、丈夫な紙・・・といったところです。
特に1色のチラシや文庫本、単行本などに使われている紙です。
そうそう、単行本を思い浮かべると良いでしょう。
本を読んだ方なら、あのほんの少しざらざらした白い紙を思い浮かべていただくとよいでしょう。
パルプが露出しているため、コート紙などに比べインクがにじみやすく、例えば、30%のアミが50%位にまで濃くなってしまうのも欠点です。
最近では、古紙パルプなども一般的になってきて、森林保護の観点から藁・葦・竹などの非木材パルプを使用するものも出回っているようです。
一昔前は、古紙の再生紙といえば、品質の悪いものでしたが、最近では再生技術も高く、白色度の高い用紙が多いようです。但し、ものによっては、手間がかかるため、価格的にコート紙などより高いものもあります。
レジンとは、天然樹脂の総称で平滑性(つるつるした感触)を高めるために表面に加工を施します。

多様なサイズ

紙のサイズといっても様々です。
皆さんがよく知っているA4。A判を4分割したサイズぐらいには認識しているでしょうか。
ではA4とB4、どちらが大きいでしょう。

★紙に目あり