これって、有り!?は有り。

これって、有り!?は有り。

今までこの仕事を長くして来たが、「これって、有り!?」と思った事が2つある。

1つは、25年も前のパソコンが主流になろうとしていた頃の話だが、新潟のあるデザイン会社に行く用事があり、色々と学ばせてもらったが、その中でその会社が発行しているタウン誌を見せてもらって、ビックリした。

60ページ程のしっかり作ってある冊子だが、よく見ると本文全体の文字が汚い?ワープロで打ち出した文字をそのまま印刷しているのだ。

広告はさすがに写植文字で作られているが、かすれ文字というか滲んだ明朝系の文字が堂々と載っている。それまで「MM-OKLが最高!これ使わないとデザイナーじゃない!」などと言って来たが、この時点で見事に崩れてしまった。ショックだった。

タウン誌担当のデザイナーに書体の事を聞いたところ「読者は、情報が大事なので、書体がきれいで有ろうと無かろうとそんなの気にしないよ、逆に写植代が浮く」と言ってアッケラカンとしていた。タウン誌を何度も見ているうちに、汚い書体が活字の雰囲気を思わせ、温か味のあるページに感じられてきたのだ。「これって、有りだな」と思えた。

2つめは、やはり随分昔の話になるが、会社の部署に活発な若い女性が入って来た.

経験はなくイラスト少し描けるぐらいで入って来たというが、その女性のやる仕事は「これって有りか?!」という物を作るのだ。写植の級数指定も分からないうちから、楽しげにレイアウトをする。見ていると普通は写植打ちを考えた上で文字数が入る文章スペースを作り、手書きで文章原稿を書くスタイルを取っていたが、彼女は逆に、文章スペースを先に作りその中に、当時入ってた変形指定の出来るコピー機を利用し、文字を書きそれを天地左右の寸法に変形をかけて貼り込みのだ、手書きの文字は変形され長3ならまだしも、長5、長6、平5、平6の文字をそのまま発注者に出してしまうのだ。

「写植で打てないよ」と注意すると、発注者との話し合いで、手書き変形文字をそののまま「印刷OK」を取ってしまうのだ。発注者が気にしないのだから「これって、有り?」は「有る」のだ。

視野を広げる方法は、いっぱい隠れている。だが、この2つにはショックを受けた。